Blog
2026/09/13 17:42

何がキッカケだったのか、思い出そうと頑張ってみても出てこないのは、「歳のせい」だと思いたくない。
一年ほど前、我が家には「本格的なドイツパンが食べたい」というブームがやってきた。それがあるとおぼしき方々のベーカリー、スーパーなどを訪ねてみては件のパンを買いあさり、「これはイマイチ」だとか「やっぱりドイツパンはこの酸味がいいよね」だとか御託をならべる。もっとも、私がドイツへ訪れたのはポルトガルへの旅の途中。乗り継ぎ便に間に合わず、トランジットで過ごしたほんの一晩だけ。本場のドイツパンなど食べた記憶はない。
さて、ドイツ語圏の寒い季節にはグリューワイン(Glühwein)と呼ばれる飲み物がよく飲まれるそうだ。
特にクリスマスマーケットで人気のこの飲み物は、赤ワインにシナモン、クローブ、オレンジピール、砂糖などのスパイスを加えて温めたもの。Tellur工房の片口ポットへ赤ワインを注ぎ、スパイスなどを入れて温める。それをそのままテーブルに運べば、食卓に温かな香りが広がる。
そんな温かい飲み物を片手に、酸味の効いたドイツパンをかじりながら待つのは、ザワークラウトキャセロール(Sauerkrautauflauf)。Tellur工房のキャセロールにジャガイモ、ザワークラウト、豚肉、ベーコン、玉ねぎなどを重ねる。生クリームと卵で作ったソースを塩、胡椒で味を調え、上からかけたらシュレッドチーズをたっぷり散らしてオーブンへ。あとは、こんがりと焼きあがるのを待つだけだ。
美味しい料理と飲み物、そして楽しい会話が続く食卓。そこを彩ってくれるのは、調理器具でありながらも、そのまま器としての存在感を放つTellur工房の作品たち。和食にも洋食にも馴染み、温かい料理をそのままテーブルに運べる、そんな「器」があるおかげで、我が家のドイツパンブームはまだしばらく続きそうだ。
作家Profile / 陶芸家 小川佳子
神奈川県出身。大学で建築を学び住宅設計・インテリアデザインを仕事としましたが、卒業後に始めた陶芸に魅了され 2006年 Tellur工房(テルルコウボウ)を設立し陶作家としてスタートしました。
日常使いの器を制作し、個展、クラフトフェア・企画展への参加、店舗への卸し、オンラインショップ等で発表しています。
日々の暮らしの中で「考えること」「作ること」「使うこと」を通して「あったらいいな」を作っていきたいと考えています。
そんな器が使い手の日常に溶け込み「いつもの器」となってくれたら嬉しいです。
