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2026/09/17 20:42

漆器というと、少しかしこまった器を思い浮かべることがある。
傷をつけないように。
特別な日に使うものとして。
普段の食卓では、少し遠慮してしまうような存在。
けれど、工房つゞきの器を見ていると、
漆器はもっと日々の暮らしに近いものでもいいのだと思う。
手に取ると、木の器らしい軽さがある。
口元にはやわらかな丸みがあり、
掌に収めたときの感触もどこか穏やかだ。
漆の艶も、華美というより静か。
だから、朝のお味噌汁にも、
昨日の残りものを少し盛る昼の食卓にも、
夜の煮物や酒の時間にも、自然に馴染む。
たとえば、お椀には朝のお味噌汁を。
小さな器にはお茶を入れてもいいし、
夜になれば日本酒を。
少し深さのあるものなら、副菜を盛ってもいい。
「これは何用の器」と決めてしまわず、
その日の食卓に合わせて使う。
そんな自由さも、漆の器の魅力だと思う。
毎日使う器には、
完成された美しさだけではなく、
扱いやすさや、手に取ったときの心地よさがいる。
そして何より、
使うことをためらわせないこと。
丁寧につくられたものだからこそ、
丁寧にしまっておくのではなく、
ちゃんと使う。
それが、この器にはよく似合っている。
天然の木から生まれる木目はそれぞれ違い、
同じ形、同じ色の器でも、よく見れば一つずつ表情が違う。
使い始めたその日が完成ではなく、
食卓に何度も登場し、
洗って、乾かして、また使う。
そうして少しずつ、
自分の暮らしの道具になっていく。
新品の器を眺める美しさとはまた違う、
日々を重ねたものだけが持つ佇まい。
それも、漆器を使う楽しみのひとつだと思う。
高価だから大切にする。
それも、もちろんひとつの向き合い方。
けれど、
毎日使っているから、大切になる。
そんな付き合い方も、きっとある。
炊きたてのごはんと、お味噌汁。
昨晩つくった煮物。
冷蔵庫に残っていた漬物を少し。
何でもない日の、何でもない食卓で、
気づけばいつも手に取っている。
漆器を特別なものから、
いつものものへ。
毎日の食卓で使い続けることで、
少しずつ、その人の暮らしの器になっていく。
工房つゞきの漆器は、
そんな日々の時間によく馴染む器です。
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